garamanのマジック研究室

ハイパー・カード

「ハイパー・カード」というこの立体は、東欧に古くからあるパズルだそうです。一般に広めたのは統計学者の Kim Iles ですが、彼の考案ではありません。まずは、下の写真を良く見てください。作り方の解説はしません。あしからず。。。


Hyper Card

この立体は紙製です。一枚の紙からできています。。。これだけの情報を元に、写真を見てください。不思議ですよね?一枚の紙から作るのは不可能のように見えませんか?何が不思議なのかがわからないという方は、、、もっと良く見てください。ちょっと待ちますから(笑)。

いかがでしょうか?不思議に見えますか?もちろん数枚の紙を貼り付けたりはしていませんし、画像の加工も一切していません。名刺大の一枚の紙に切り込みを入れるだけで、作る事ができます。

この図形は多くのパズル研究家がバリエーションを発表しているそうです。好奇心旺盛なパズル研究家を惹き付けるだけの魅力は、充分に備えていますよね。と言っても、たった一枚の紙からできるこの立体に魅了されたのは、パズル研究家だけではありませんでした。パズル作家に負けない好奇心を持つマジシャンもまた、この立体に魅せられていくつものバリエーションを発表しています。ここで紹介したのは原案に近いものですが、この図形を利用してマジックに仕立て上げられた作品もあります。

作り方が判った方は、自分でも作ってみて誰かに見て欲しくなるかもしれませんが、その時には「手を触れない」という条件を付けた方が不思議さが保てると思います。折角ですから、存分に「四次元の立体」を楽しんでもらいましょう。(くれぐれも意地悪な見せ方は禁物ですよ)

私は高校生のころ、厚めの板金を加工してハイパー・カードを作りました(工業高校の機械科だったので、板金加工は得意!)。出来上がった立体は、素手では曲げられないほど硬いものなので、手にとってじっくりと見て、あらゆる角度から楽しめます。作った自分が一番魅入っていた事を思い出します(笑)。技能オリンピック世界第三位の経験を持つ先生も「これは作れない!」と、舌を巻いていました。