Mental Reverse
テーブルに裏向きに配られた数枚のカード。観客はこの中から好きな一枚を選び、マジシャンが背を向けている間に表を見て覚えます。覚えたカードは他のカードと一緒に混ぜ、どれが覚えたカードか分からなくします。マジシャンは正面に向き直り、観客から受け取った数枚のカードをデックに戻しますが、このとき受け取ったカードは表を見ることなく、しかも1枚1枚バラバラの位置に差し込んでいきます。
さぁ、これでマジシャンだけでなく、カードを選んだ観客さえも、覚えたカードがどこにあるかが分からない状態になりました。ここで観客に覚えたカードの名前を言ってもらいます。観客が答えると同時に、マジシャンは手に持ったデックをテーブルにリボンスプレッドします。不思議なことに観客のカードだけが表向きになって出てきます。
メンタル・リヴァース
〜 Mental Reverse 〜
カードマジック入門事典
p.185
同名のエドワード・マーローの作品をロジャー・スミスが改案したものです。
ロジャー・スミスによる改案では最後にもう一つのクライマックスが用意されています。1枚だけ表向きになった観客の覚えたカードを裏返すと、なんと裏の色まで変わっているという現象です。個人的にはかえって現象がぼやけているような気がするのですが、インパクトは大きいです。この作品の特徴を活かしてインパクトを狙っていくなら、スピーディーに演じるのが良いと思います。メンタル・マジック特有の「じっくり魅せる」ような演出には向かないような気がします。(もちろんマジシャンの個性によるところが大きいので、人それぞれですが)
解説は4ページ、イラスト5枚で簡潔にまとめられた手順解説です。演出部分はオリジナリティーを出して考えてみるのが良いでしょう。(2007.12.16)
メンタル・リバース
ミスター・ジェニングス テイク・イット・イージー 2
p.417
ラリー・ジェニングスの改案です。このテーマに対してジェニングスは多数のハンドリングを考え出したものの、あまり発表はされていないようです。そんな中、この本で解説されているのは、とてもシンプルに磨き上げた作品です。
シャッフルされたデックを受け取った観客は、トップから5枚のカードをテーブルに並べた上で、マジシャンが背を向けている間にその中の1枚を覚えます。そしてマジシャンが向き直る前に5枚のカードを裏向きに混ぜ合わせます。覚えた本人も位置がわからなくなっている状態の5枚をマジシャンは受け取ります。
ここからがこの作品の見どころです。デックの上に表向きに載せた5枚のカードを改めて観客と一緒に確認します(マジシャンが触るのはこの時だけです)。この時、観客には自分の覚えたカードが出てきても顔に出さないようにしてもらいます。そして確認したばかりの5枚のカードを観客に返して、残りのデックもテーブルに置いてしまいます。観客には、テーブルに伏せてあるデックの上に5枚のパケットを裏向きに重ねた上で、一度カットしてもらいます。今、裏向きのデックの中央あたりに裏向きの5枚のカードが挟まっており、その中の1枚が観客の覚えたカードです。そのはずです。。。しかし、観客に覚えたカードを言ってもらった後、観客自身にデックをスプレッドしてもらうと、覚えたカードだけが表向きに現れます。
たった3ページの解説で、現象も手順もシンプルです。ノーマルデックで、使う技術もさほど難しくない逸品です。(2026.02.21)