garamanのマジック研究室

MALONE meets MARLO 3

2009年に刊行された MALONE meets MARLO シリーズ全6巻のうちの第3巻です。

第3巻では、13作品が実演・解説されています。

冒頭の「FINDING MY ASSISTANTS」と「SPECTATOR CUTS THE ACES Ⅱ AND MORE」の2つは、観客が4つに分けたパケットのそれぞれのトップからフォー・オブ・ア・カインドが出てくるというテーマの作品です。同じ印象の現象を起こす2つの作品が、全く別の解決法で達成されているため、見比べてみるのも一興です。また、最後の2作品も、オイル・アンド・ウォーター現象を別々の解決方法で実現していますので、こちらも見比べてみると面白いです。

「Ed Marlo's Comedy Classic」は秀作です。4人の観客に1枚ずつ覚えてもらったカードを順番に当てていくのですが、偶然みんな同じカードを覚えていたようで、マジシャンがデックから1枚抜き出し「覚えたカードはこれですね?」と言って取り出すカードも、なぜかいつも同じカードが出てきます。文章で書くと簡単なようですが、1人目の観客のカードを当てた時に、そのカードはテーブルに投げ出してしまいますので、残りのデックにはそのカードはもう残っていないのです。2人目は偶然同じカードを覚えているわけですから、2人目のカードを残りのデックから抜き出して当てる事はできないはずなのですが、「これですね?」とやっぱりそのカードを抜き出して示すのです。3人目も同様です。コミカルな現象が続いた後に、最後に異様な盛り上がりを見せるクライマックスが待っています。トリックアウトになるのでここでは解説しませんが、観客の受ける印象はとても強いものだと思います。おそらくいくつかマジックを見た後、家に帰ってもこの作品はすぐに思い出されるでしょう。

Bill Malone
L & L Publishing

レビュー

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