garamanのマジック研究室

ギャリー・カーツ マジック・コレクション

ギャリー・カーツの「Unexplainable Act」の日本語訳です。オリジナリティーのある21作品が解説されている原著はそれだけで魅力的な一冊ですが、翻訳にあたって角矢幸繁氏による注釈が豊富に添えられているのがまた価値を高めています(値段もなかなか高いですが...)。ギャリー・カーツは、2000年代のはじめ頃にはメンタリストに転向していますが、この本はそれよりも前の1990年に発行されています。一般の人のみならずマジシャンをも唸らせた名作揃いで、レクチャーツアー等でも演じられていた代名詞的な作品も惜しげもなく解説されています。

一部には、ギャリー・カーツの大きな手でないと実演できないのではないかと疑ってしまう点もありますが、全体的にオリジナリティーもセンスもある名作が多い印象です。カードが11種、コインが7種、その他オレンジや紙幣や指輪を使ったものが3種収録されています。中でも Flurious という作品は、大きなコインを使って一斉を風靡したもので、ギャリー・カーツの名を知らしめたルーティーンです。

Richard Kaufman
角矢 幸繁(訳)
東京堂出版

レビュー

トリオ (Trio)